【令和5年地価調査・北海道/東北エリア概況】岩手県住宅地及び福島県商業地では前年の下落から上昇に転じている。

 令和5年7月1日時点における地価調査価格が発表されました。北海道・東北エリアにおける各都道府県ごとの地価動向の概況は次の通りです。

 <北海道
 北海道全体の住宅地の平均変動率は、札幌市をはじめ石狩管内の全市や帯広市等で上昇したことなどから2.2%の上昇(前年+1.8%)となり3年連続で上昇した。住宅地も商業地同様、札幌市をはじめ石狩管内の全市や帯広市等で上昇したことなどから2.2%の上昇(前年+0.8%)となった。なお、札幌駅周辺のビジネス街等のオフィス需要は、空室率の低い状態が継続し、札幌駅北側や北海道新幹線のホームが設置される札幌駅東側などでは再開発計画が進展し、繁華性の向上が期待されることから、地価の上昇が継続している(札幌中央5-1:4,700,000円/㎡、+9.3%、札幌北5-2:2,570,000円/㎡、+19.5%)。
 
 <青森県
 県全体の住宅地の変動率の平均は▲0.6%(前年▲0.9%)で25年連続の下落となった。また、県全体の商業地の変動率の平均は▲0.8%(前年▲1.0%)で、商業地同様、下落が続いており、32年連続の下落となった。なお、青森県おいらせ町において、大型商業施設等に近く、生活利便性が良好な住宅地域にあっては、相対的な割安感があることから需要は堅調で、地価は上昇に転じた(おいらせ-7:7,200円/㎡、+5.9%)。
 
 <岩手県
 県全体の平均変動率は、住宅地で前年の▲0.6%から+0.1%と23年ぶりに上昇に転じ、商業地では30年連続の下落となったものの下落幅は▲1.2%と縮小(前年▲1.7%)している。住宅地では、住宅ローン減税や低金利政策等が継続される中で、住環境や生活利便性が向上している地域では土地需要が非常に高く、地価は上昇傾向にある。一方で、少子高齢化や人口減少が進む地域では土地需要が低迷し、地価は下落している。また、商業地では、少子高齢化や人口減少により土地需要が低迷している地域が多く、県全体の地価は下落傾向が継続しているが、新型コロナウイルス感染症の行動制限の緩和により繁華街や観光地では客足が回復してきたことに伴い、下落率には縮小傾向が見られる。
 
 <宮城県
 県全体の平均変動率は、住宅地が+1.7%(前年+1.3%)の上昇、商業地が+3.9%(前年+2.7%)の上昇で、住宅地及び商業地ともに11年連続の上昇となった。なお、JR 仙台駅東口周辺では、令和5年6月に大型商業施設がオープンし、ペデストリアンデッキやバス発着所等も設置され、東北地方の玄関口として更なる繁華性の向上が期待されることから、地価は高い上昇を見せている(宮城野5-1:2,400,000円/㎡、+20.0%)。
 
 <秋田県
 県全体の平均変動率は、住宅地で▲0.8%(前年▲1.1%)、商業地で▲0.7%(前年▲1.3%)。住宅地は平成11年から25年連続して下落しているが、下落幅は前年より0.3ポイント縮小している。また、商業地では、平成5年から31年連続の下落ではあるが、コロナ禍で急激に地価下落した地域は見られず、県内のイベントの開催や消費マインドの回復があり、徐々に人流回復が期待される状況となってきている。
 
 <山形県
 県全体の平均変動率は、住宅地で▲0.2%(前年▲0.4%)、商業地で▲0.4%(前年▲0.7%)。住宅地について、下落幅は0.2ポイント縮小となったが、平成12年度から24年連続の下落となった。また、商業地も下落幅は0.3ポイント縮小となったが、平成6年度から30年連続の下落となっている。
 
 <福島県
 住宅地は▲0.3% ( 前年▲0.5% )、商業地も+0.1%(前年▲0.5%)で、住宅地においては4年連続の下落、商業地は前年のマイナスからプラスに転じている。なお、郡山駅の駅前商業地域では、新型コロナの影響により、特に飲食店において収益性の低下が続いていたが、人流が徐々に回復し、令和5年5月の新型コロナの5類移行を経て、更に回復傾向が鮮明になったことから、地価は上昇に転じた(郡山5-11:141,000円/㎡、+5.2%)。
 
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