【令和4年地価公示・北海道/東北エリア概況】飲食系の繁華街や観光地などでは厳しい状況が続くものの、全般的に地価は回復傾向にある。

 令和4年1月1日時点における地価公示価格が発表されました。北海道・東北エリアにおける各都道府県ごとの地価動向の概況は次の通りです。
 <北海道
 北海道の全用途の平均変動率は3.9%となり、6年連続で上昇し、用途別では、住宅地は4.6%(前年1.5%)、商業地は2.5%(前年0.6%)、工業地は2.4%(前年1.0%)の上昇となった。なお、北海道の人口が集中する札幌市の周辺では、相対的割安感とより広い居住空間を求める需要者のニーズを受けて住宅需要が波及しており、地価の上昇が継続している(北広島-1:46,000円/㎡、+26.0%、住宅地地価上昇率全国1位)。一方で、道内での人流と国内観光客は回復傾向にあるが、インバウンドの消失と二次会ニーズの減衰が影響し、下落率は縮小したものの地価下落が継続している(札幌中央5-2:1,230,000円/㎡、▲1.6%)。
 
 <青森県
 県全体の住宅地の変動率の平均は▲0.5%(前年▲0.8%)で、22年連続の下落となったが、昨年度より0.3ポイント下落幅が縮小した。上昇地点は青森市で7地点、弘前市で5地点、八戸市で7地点の計19地点(前年は2地点)が上昇した。また、県全体の商業地の変動率の平均は▲0.9%(前年▲1.2%)で、30年連続の下落、昨年度より0.3ポイント下落幅が縮小した。青森市、弘前市、むつ市でそれぞれ1地点の計3地点が上昇した(前年は上昇地点なし)。
 
 <岩手県
 県全体の平均変動率は、住宅地で▲0.1%(前年▲0.4%)、商業地で▲1.0%(前年▲1.7%)。住宅地では、矢巾町(3.8%)、紫波町(2.5%)、盛岡市(1.1%)などが上昇した一方、山田町(▲4.3%)、岩手町(▲4.2%)、岩泉町(▲2.6%)などは下落幅が大きい。
 
 <宮城県
 県全体の平均変動率は、住宅地で+2.8%(前年+1.0%)、商業地で+2.2%(前年+1.2%)。なお、仙台駅前の人流は回復しているが、国分町地区の来街者数は激減しており、飲食店の閉店も多く、店舗需要の減退により地価の下落が継続している(仙台青葉5-16:565,000円/㎡、▲5.0%)。
 
 <秋田県
 県全体の平均変動率は、住宅地で▲0.7%(前年▲0.9%)、商業地で▲0.9%(前年▲1.0%)。県全体の住宅地平均変動率は平成13年から22年連続の下落となったが、秋田市では0.3%で2年ぶりに上昇となった。また、県全体の商業地では平成5年から30年連続の下落となった。
 
 <山形県
 県全体の平均変動率は、住宅地で0.1%(前年±0.0%)、商業地で▲0.5%(前年▲0.7%)。住宅地について、山形市、寒河江市、天童市、東根市、三川町が上昇し、村山市、河北町、高畠町が下落から横ばいとなった。また、商業地は平成6年から29年連続の下落となったが下落幅は縮小となった。
 
 <福島県
 県全体の平均変動率は、住宅地は0.3% ( 前年▲0.1 % )、商業地は±0.0 %(前年▲0.6%)。住宅地では、新型コロナウイルス感染症の影響は顕在化しておらず、超低金利の継続や、コロナ禍に起因した賃貸共同住宅から戸建住宅への需要シフト等により、住宅地需要が押し上げられる状況が続いている。一方、令和元年東日本台風によって浸水被害を受けた地域では、水害から2年以上が経過した現在でも、需要の減退が続いているところがある。また、商業地では、新型コロナの影響は、飲食系の繁華街や温泉街の商業地で依然としてみられるものの、前年と比較すると影響の程度は小さくなっている。
 
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