相続不動産を1円で売却?

 最近、住宅が1円で売買されている、という記事を読みました。所有しているだけで毎年、固定資産税などの維持費がかかり、そんな不動産を子供に残したら相続で迷惑をかけてしまうので今のうちに格安でもいいから売却してしまうということらしいです。1円というのは少し大袈裟な表現であるとしても、格安な価格で不動産を投げ売りしてしまうというのは現実にある話だと思います。

 不動産は原則として、売主と買主が納得していれば、どんな価格で取引しようが問題ありません。したがって、実際に成立する不動産の取引価格は、売主と買主の力関係特殊な事情などが大きく影響してきます。相続が心配で不動産を格安で売却してしまったという取引は、不動産鑑定士から見ると、「売急ぎ」という特殊な事情が売主にあったと判断します。

 たしかに不要な不動産を自分の代で処分してしまいたいというお気持ちはわかります。ただ、処分を急ぐにしても、まずはその不動産の本当の価値を把握してから行動されても遅くはないのかもしれません。相続不動産の鑑定評価についてのご相談やお問い合わせはこちらまで

不動産鑑定士 渡辺健太郎