奥行長大な画地の土地価格について

 不動産の価格をご自分で査定したい人向けの「みんな鑑定士」シリーズの第18回目です。
 今回は「奥行長大」についてご説明いたします。間口に対して奥行が長い画地は、一般に利用がしにくく、土地の減価要因となります。これが奥行長大です。以前第14回目で「奥行逓減」を扱いましたが、奥行が長ければ長いほど価格が逓減するのが、奥行逓減。一方、奥行と間口の比率が大きければ大きくなるほど価格が逓減するのが、奥行長大となります。
 
 <奥行長大による格差率>
 (優良住宅地域) 普通100 やや劣る97 劣る93 相当に劣る90 極端に劣る87 
 (標準住宅地域) 普通100 やや劣る97 劣る93 相当に劣る90 極端に劣る87 
 (混在住宅地域) 普通100 やや劣る97 劣る93 相当に劣る90 極端に劣る87
 (農家集落地域) 普通100 やや劣る94 劣る88            
  ※参考:土地価格比準表第7次改訂 
 
 上記格差率は、普通(通常の奥行の画地)を100としたときの奥行長大による減価率の目安です。なお、土地価格比準表第7次改訂版では、以下のように分類しています。
 「普通」~ 標準的な画地の奥行と間口の比とほぼ同じ画地
 「やや劣る」~ 標準的な画地の奥行と間口の比の1.5以上2.0未満の画地(農家集落地域は2.0以上4.0未満)
 「劣る」~ 標準的な画地の奥行と間口の比の2.0以上2.5未満の画地(農家集落地域は4.0以上)
 「相当に劣る」~ 標準的な画地の奥行と間口の比の2.5以上3.0未満の画地
 「極端に劣る」~ 標準的な画地の奥行と間口の比の3.0以上の画地
 
 例えば、地域(標準住宅地域)内の標準的な画地(間口10m・奥行10m、比率1.0)の価格が100,000円/㎡であって、間口が10m、奥行が25mの場合の土地価格は、
 <奥行長大の程度>
  (間口奥行比率) (標準的比率)
    2.5 ÷ 1.0 = 2.5  ← 「劣る」
 <奥行長大を考慮した対象地の土地価格>
   (標準画地価格)     (奥行長大)
   100,000円/㎡ × 93/100 = 93,000円/㎡
 となります。
 
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