【令和5年地価調査・関東エリア概況】茨城県住宅地の平均変動率が、32年ぶりに上昇に転じた。

令和5年7月1日時点における地価調査価格が発表されました。関東エリアにおける各都道府県ごとの地価の動向の概況は次の通りです。

 <東京都
 住宅地では、区部+4.2%(前年+2.2%)、多摩地区+2.1%(前年+1.0%)、商業地では区部+5.1%(前年+2.2%)、多摩地区+2.9%(前年+1.5%)。なお、住宅地価格順位全国1位である「港-10(溜池山王駅420m)」において、高級分譲マンションが供給される優良住宅地域のマンション用地需要は引き続き堅調で、地価の上昇が継続している(港-10:5,240,000円/㎡、+4.0%)。また、銀座エリアにおいて、富裕層による高額品等の消費が好調であることから店舗の収益性は回復傾向となっている。今後の訪日外国人観光客の本格的な回復への期待感もあり、地価は上昇に転じた(中央5-14:28,800,000円/㎡、+1.8%)。
 
 <神奈川県
 県全体の平均変動率は、住宅地で+2.1%(前年+0.8%)、商業地で+4.3%(前年+1.9%)。なお、鎌倉駅周辺では、国内観光客の回復やインバウンドの増加により、店舗需要が回復しており、近年ではホテルの開業が散見される等、繁華性が一層向上していることから、地価の上昇が拡大している(鎌倉5-1:1,960,000円/㎡、+10.1%)。
 
 <埼玉県
 県全体の平均変動率は、住宅地で+1.5%(前年+0.8%)、商業地で+2.0%(前年+1.0%)。住宅地では、県内中心部や生活利便性に優れた住宅地では需要の高まりがみられ、前年から0.7ポイント上昇幅が拡大した。また、商業地では、経済の回復に向けた動きが加速しつつあり、再開発事業等の進展期待がある地域や、マンション用地と競合する地域で上昇傾向がみられ、前年から1.0ポイント上昇幅が拡大した。
 
 <千葉県
 県全体の平均変動率は、住宅地で+2.5%(前年+1.0%)、商業地で+3.7%(前年+2.0%)。なお、我孫子市我孫子では、常磐線沿線及び市内中心部の地価上昇や宅地供給不足により、相対的な割安感のある地域へ需要が波及しており、地価は高い上昇を見せている(我孫子-3:121,000円/㎡、+18.6%)。
 
 <茨城県
 県全体の平均変動率は、住宅地で+0.3%(前年0.0%)、商業地で+0.6%(前年+0.3%)。住宅地の平均変動率は32年ぶりに上昇に転じ、商業地は2年連続の上昇となった。なお、つくばみらい市では、つくばエクスプレス沿線で生活利便性及び住環境が良好な新興住宅地域では、需要が底堅く、地価の高い上昇が継続している(つくばみらい-1:114,000円/㎡、+10.7%)。
 
 <栃木県
 県全体の平均変動率は、住宅地で▲0.5%(前年▲0.7%)、商業地で▲0.6%(前年▲0.8%)。なお、宇都宮市において、駅に近い区画整然とした交通及び生活利便性、住環境良好な住宅地で需要は堅調であるが、令和 5 年 8 月に開業した LRT(次世代型路面電車システム)による更なる利便性の向上も見込まれ、また、JR 宇都宮駅前の再開発により商業地の繁華性の向上やマンション需要との競合により、地価は上昇している(宇都宮-44:149,000円/㎡、+4.2%)。
 
 <群馬県
 県全体の平均変動率は、住宅地で▲0.9%(前年▲1.1%)、商業地で▲0.4%(前年▲0.8%)。住宅地では、中心市街地及び外周部並びに郊外の生活利便性や居住環境良好な地域では需要が高く、地価は上昇傾向で推移している。吉岡町は地価の割安感があり、また大型商業施設の進出による影響から生活利便性が一層向上し、需要は強含みで2年連続のプラスとなっている。また、商業地では、景気の緩やかな持ち直しや人流の回復等から地価下落率は縮小傾向にある。JR高崎駅東口の再開発事業再開の決定、太田駅前の再開発計画進展等の影響から各市内の今後の波及効果に好影響を示している。草津町は観光客の回復も著しく、商業地は小規模ではあるが新たな店舗やホテルの開業も見られ、需要は強含みで地価は上昇傾向にある。
 
 <山梨県
 県全体の平均変動率は、住宅地で▲1.1%(前年▲1.2%)、商業地で▲0.6%(前年▲0.9%)。住宅地・商業地とも平成5年以降31年連続の下落であるが、前年下落幅に比べて住宅地は0.1ポイントの縮小、商業地は0.3ポイントの縮小となっている。
 
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