【令和4年地価調査・関東エリア概況】神奈川県及び埼玉県の住宅地では、前年の下落から上昇に転じた。
令和4年7月1日時点における地価調査価格が発表されました。関東エリアにおける各都道府県ごとの地価の動向の概況は次の通りです。
<東京都>
住宅地では、区部+2.2%(前年+0.5%)、多摩地区+1.0%(前年0.0%)、商業地では区部+2.2%(前年▲0.3%)、多摩地区+1.5%(前年0.0%)。価格順位全国1位である「中央5-13(銀座1丁目駅近接)」では、新型コロナの影響により外国人観光客関連の需要がほぼ消失したが、国内客の人流は回復傾向にあることから、地価の下落率は縮小している(前年▲3.7%の下落から▲0.5%に縮小、価格39,300,000円/㎡)。
<神奈川県>
県全体の平均変動率は、住宅地で+0.8%(前年▲0.2%)、商業地で+1.9%(前年+0.8%)。なお、神奈川県鎌倉市において国内来訪客は回復傾向にあり、新型コロナ収束後を見据えた新規出店が散見される等、鎌倉駅周辺の店舗需要等は回復しており、地価は上昇に転じた(鎌倉5-1:1,780,000円/㎡、+4.7%)。
<埼玉県>
県全体の平均変動率は、住宅地で+0.8%(前年▲0.1%)、商業地で+1.0%(前年▲0.3%)。なお、JR 大宮駅駅東口周辺では本年 4月に再開発事業による複合施設がオープンしており、西口周辺では再開発事業が進展し、更なる繁華性の向上が期待されることから、地価は上昇に転じた(さいたま大宮5-1:2,200,000円/㎡、+5.3%)。
<千葉県>
県全体の平均変動率は、住宅地で+1.0%(前年0.0%)、商業地で+2.0%(前年+0.4%)。なお、千葉県木更津市の多機能複合型都市として整備中のかずさアクアシティでは、商業施設の開業や住宅整備等、発展期待から店舗需要が堅調であり、地価は高い上昇をみせている(木更津5-5:69,500円/㎡、+19.8%)。
<茨城県>
県全体の平均変動率は、住宅地で0.0%(前年▲0.5%)、商業地で+0.3%(前年▲0.2%)。住宅地の平均変動率は平成4年から30年連続で下落していたが、今年は横ばいとなった。また、商業地の平均変動率は平成4年から下落していたが、31年ぶりに上昇に転じた。なお、茨城県つくばみらい市のつくばエクスプレス線沿線で住環境が良好な新興住宅地では、転入者も多く、住宅需要が堅調であることから、地価の上昇が継続している(つくばみらい-1:103,000円/㎡、+10.8%)。
<栃木県>
県全体の平均変動率は、住宅地で▲0.7%(前年▲0.9%)、商業地で▲0.8%(前年▲1.0%)。住宅地は近年の傾向と同様に、宇都宮市以南のJR宇都宮線沿線の利便性、居住環境の良好な住宅地への需要は堅調であった一方、人口減少、高齢化等が進行している地域では、下落傾向が続いており、特に郊外部や中山間地域等では下落率が相対的に大きい。また、商業地は宇都宮市以南の JR 宇都宮線沿線において大規模な開発事業の整備が進む駅周辺地域や、優良な商業背後地を抱える路線商業地域で需要は堅調であった一方、中山間地域等では、人口減少、高齢化、郊外の沿線型店舗等への顧客流出等により、地価は下落傾向で推移している。
<群馬県>
県全体の平均変動率は、住宅地で▲1.1%(前年▲1.2%)、商業地で▲0.8%(前年▲0.9%)。住宅地では、新型コロナウイルス感染症の影響は殆どないものの、山間部を中心に高齢化や人口減少による過疎化の進行に伴い、需要が極めて低迷していることや先行きの不透明感等から、県全体の平均変動率は前年から下落率はやや縮小したものの、引き続き下落傾向が続いている。また、商業地では、新型コロナウイルス感染症の影響は事務所系商業地については比較的小さく、店舗系商業地や温泉地は影響は弱まりつつあるものの依然として大きくなっている。県全体の平均変動率は引き続き下落傾向が続いているが、持ち直しもみられる。なお、高崎駅周辺の商業地は他の地域と異なり上昇傾向を示していたが、市街地周辺の再開発が一段落したことにより、その勢いが弱くなっている。一方で、太田市は再開発事業の波及効果や一部地域の市街化区域編入による地域発展により上昇している地点が見受けられる。
<山梨県>
県全体の平均変動率は、住宅地で▲1.2%(前年▲1.3%)、商業地で▲0.9%(前年▲1.2%)。住宅地・商業地とも平成5年以降30年連続の下落であるが、前年下落幅に比べて住宅地は0.1ポイントの縮小、商業地は0.3ポイントの縮小となっている。
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