【令和3年地価調査・近畿エリア概況】大阪府の商業地は9年ぶりに下落に転じる

令和3年7月1日時点における地価調査価格が発表されました。近畿エリアにおける各都道府県ごとの地価の動向の概況は次の通りです。

 <大阪府
 府全体の平均変動率は、住宅地で▲0.2%(前年▲0.3%)、商業地で▲0.9%(前年+1.8%)。住宅地は前年に引き続き2年連続の下落となり、商業地は9年ぶりに下落に転じました。なお、大阪市道頓堀地区では、コロナ禍においてインバウンドを中心とした観光客が激減し、国内需要も低迷したことにより、撤退テナントが増加するなど、物販及び飲食店舗の収益性が大きく低下したため、地価は下落しており、商業地地価下落率では全国1位の下落となっています(中央5-3:19,100,000円/㎡、▲18.5%)。
 
 <兵庫県
 県全体の平均変動率は、住宅地で▲0.8%(前年▲1.1%)、商業地で▲0.6%(前年▲0.1%)。住宅地では、神戸市(+0.1%)が前年(+0.2%)より上昇幅が縮小した一方、阪神南地域(+0.6%)は前年(▲0.1%)から上昇に転じ、阪神北地域(+0.1%)も前年(▲0.3%)から上昇に転じました。また、商業地では、神戸市(▲1.1%)が前年(+1.3%)から下落に転じています。
 
 <京都府
 県全体の平均変動率は、住宅地で▲0.6%(前年▲0.8%)、商業地で▲0.6%(前年+0.4%)。京都市伏見地区、伏見稲荷大社参道至近の商業地では、コロナ禍においてインバウンドを中心に国内外の観光客が減少し、店舗の収益性が低下したため、地価は下落しています(伏見5-1:456,000円/㎡、▲10.6%)。
 
 <滋賀県
 府全体の平均変動率は、住宅地で▲1.3%(前年▲1.5%)、商業地で▲0.5%(前年▲0.5%)。住宅地は依然として下落傾向が続いていますが(13年連続)、下落幅は前年から縮小となりました。また、商業地は新型コロナウイルス感染症の影響等から下落が続いている地点が多く見られ、2年連続の下落となりました。

 <奈良県
 県全体の平均変動率は、住宅地で▲1.2%(前年▲1.3%)、商業地で▲1.1%(前年▲0.2%)。JR奈良駅周辺の商業地では、コロナ禍において観光客の減少や宿泊施設需要の減退、経済活動自粛等の影響から、店舗や宿泊施設の収益性が低下したため、地価は下落となっています(奈良5-11:456,000円/㎡、▲5.0%)。

 <和歌山県
 県全体の平均変動率について、住宅地が▲1.4%(前年▲1.4%)で平成3年から31年連続の下落、商業地が▲1.2%(前年▲1.1%)で平成4年から30年連続の下落となっており、住宅地の下落幅は前年から横ばい、商業地の下落幅は前年に比べて拡大しています。
 
 
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