大阪圏では地価は引き続き上昇、上昇幅も拡大(令和2年地価公示・近畿エリア概況)

 国土交通省は19日、令和2年1月1日時点における公示価格を発表しました。近畿エリアにおける各都道府県ごとの地価の動向の概況は次の通りです。

 <大阪府
 府全体の平均変動率は、住宅地で+0.4%(前年+0.2%)、商業地で+7.7%(前年+6.5%)となり、住宅地は3年連続上昇、商業地は7年連続の上昇となり、いずれの用途も上昇率が拡大しました。なお、心斎橋地区では、外国人観光客を中心に賑わいを見せており、ドラッグストアをはじめ物販等の出店需要が旺盛であることから、引き続き地価が上昇しています(大阪中央5-2/なんば駅230m/+44.9%上昇)。また、千里中央駅周辺では、マンション開発に伴う背後地人口の増加や商業施設の再整備により繁華性が向上しており、今後の大型商業施設の一体再開発構想等による更なる発展への期待も相まって、地価が上昇しています(豊中5-6/千里中央駅近接/+41.3%上昇)。 
 
 <兵庫県
 県全体の平均変動率は、住宅地で▲0.1%(前年▲0.2%)、商業地で+2.8%(前年+2.4%)となり、住宅地は下落幅は縮小したものの下落傾向は継続、商業地は5年連続の上昇となりました。住宅地は、神戸市及び阪神南地域で引続き上昇し、阪神北地域は12年ぶり、東播磨地域では29年ぶりに上昇に転じました。商業地は、神戸市、阪神南、阪神北、東播磨及び中播磨地域で引続き上昇し、北播磨地域では29年ぶりに上昇、その他の地域では、住宅地・商業地ともに下落傾向が継続しています。なお、城崎温泉では、行政及び地元関係者のプロモーション活動の効果もあり訪問客が増加していることから、旅館、店舗等の需要が強まり、地価が上昇しています(豊岡5-3/城崎温泉駅650m/+11.8%上昇)。
 
 <京都府
 府全体の平均変動率は、住宅地で+0.7%(前年+0.8%)、商業地で+8.1%(前年+9.7%)、工業地で+5.6%(前年+4.7%)となり、住宅地は3年連続、商業地は7年連続、工業地は5年連続の上昇となりました。
 
 <滋賀県
 県全体の平均変動率は、住宅地で▲0.8%(前年▲0.6%)、商業地で+0.7%(前年+0.6%)となり、住宅地は12年連続の下落、商業地は7年連続の上昇となりました。地価の動きは、二極化傾向が継続しており、大津・南部地域の駅から徒歩圏内の住宅地域やJR線主要駅周辺の商業地域を中心に上昇地点が見られる一方で、人口減少が続く地域やバス圏等の利便性の低い地域を中心に下落地点が見られます。

 <奈良県
 県全体の平均変動率は、住宅地で▲0.6%(前年▲0.5%)、商業地で+1.5%(前年+0.9%)となり、引き続き住宅地は下落傾向、商業地は上昇傾向が継続となりました。

 <和歌山県
 県全体の平均変動率は、住宅地で▲1.2%(前年▲1.3%)、商業地で▲0.9%(前年▲1.1%)となり、いずれの用途も下落傾向は続いていますが、下落幅は縮小しています。住宅地では、居住環境の選好性が高い地域や、駅や道路による交通アクセスが充実している地域で価格上昇がみられるほか、紀南地方の津波被害のリスク等が懸念される地域では、高台の住宅地で価格上昇がみられます。また、商業地では、和歌山市で、中心部の施設が集積している地域や幹線道路沿いの交通の利便性が良く集客力の高い地域等で価格上昇がみられます。
 
 
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