令和元年地価調査における地価動向の概況(九州・沖縄エリア)
令和元年7月1日時点における地価調査価格が発表されました。九州・沖縄エリアにおける各都道府県ごとの地価の動向の概況は次の通りです。
・福岡県
県全体の平均変動率は、住宅地で+1.7%(前年+1.1%)、商業地で+4.0%(前年+3.1%)。福岡市の商業地は12.8%上昇し、前年の11.1%より上昇幅が拡大しています。規制緩和によりビルの建て替えを誘導し新たな空間と雇用を創出する「天神ビッグバン」プロジェクトが進展する天神地区、地下鉄七隈線の延伸(令和4年度を予定)や博多駅の賑わいと活力を周辺へつなげていくプロジェクト「博多コネクティッド」が打ち出され一層の繁華性向上が期待される博多地区を中心に、オフィス・店舗・ホテル素地需要が競合し、高い上昇率を示しています。
・佐賀県
県全体の平均変動率は、住宅地で▲0.4%(前年▲0.6%)、商業地で▲0.1%(前年▲0.3%)。基山町の工業地については、九州自動車道、長崎自動車道及び大分自動車道が交差し広域的な交通アクセスに優れている鳥栖ジャンクションに近接していることから、物流施設等の需要が旺盛であり、引き続き地価が上昇(+14.0%)しています。
・長崎県
県全体の平均変動率は、住宅地で▲1.0%(前年▲1.2%)、商業地で0.0%(前年▲0.3%)。長崎市の商業地については、県庁の移転や九州新幹線西九州ルートの暫定開業(令和4 年度を予定)など長崎駅周辺の再開発への期待からホテル・マンション素地需要が堅調であり、引き続き地価が上昇(+4.8%)しています。
・熊本県
県全体の平均変動率は、住宅地で+0.1%(前年0.0%)、商業地で+1.7%(前年+1.5%)。熊本市中央区の下通アーケード南端から西に続く新市街アーケード(サンロード商店街)では、外国人観光客等の増加と、近隣の桜町地区での再開発によりバスターミナルを備えた大型複合施設の開業(本年9月)への期待もあいまって、ホテル、店舗等の需要が堅調なことから、地価が上昇しています(熊本中央5-15・770,000円/㎡・+22.2%上昇)。
・大分県
県全体の平均変動率は、住宅地で+0.1%(前年▲0.3%)、商業地で▲0.2%(前年▲0.5%)となり、住宅地は上昇に転じ、商業地は下落傾向は続いているものの下落幅は縮小となりました。
・宮崎県
県全体の平均変動率は、住宅地で▲0.6%(前年▲0.7%)、商業地で▲1.2%(前年▲1.4%)となり、いずれの用途も下落幅は縮小していますが、下落傾向は続いています。
・鹿児島県
県全体の平均変動率は、住宅地で▲1.3%(前年▲1.6%)、商業地で▲1.3%(前年▲1.6%)となり、いずれの用途も下落幅は縮小しましたが引き続き下落傾向が続いています。
・沖縄県
県全体の平均変動率は、住宅地で+6.3%(前年+4.0%)、商業地で+12.0%(前年+7.3%)、工業地で+13.9%(前年+11.0%)となり、全ての用途で上昇となっています。那覇市の住宅地については、公共施設や商業施設が集積し住環境に優れる新都心地区や市中心部において、マンション、戸建住宅ともに旺盛な需要が見られる。また、沖縄都市モノレール(ゆいレール)の延伸(本年10 月開業予定)により利便性の向上が期待される地域をはじめ、周辺部においても住宅需要が強まっており、上昇幅が拡大(+9.3%→+14.8%)しています。
また、那覇市の商業地については、国内外からの観光客数が6 年連続で過去最高を更新し、県外企業の沖縄進出もみられるなど好調な県内景気を背景に、市中心部におけるオフィス需要や、活況を呈する国際通り周辺の店舗・ホテル素地需要が引き続き旺盛であり、また、幹線道路沿いの店舗需要も旺盛であり、上昇幅が拡大(+13.3%→+25.5%)しています。
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