個人投資家において留意すべき事項とは
金融庁は、「投資用不動産向け融資に関するアンケート調査結果」を発表しました(平成30年10・11月に、121の銀行と261の信用金庫、148の信用組合にアンケート調査を発出、とりまとめたもの)。
その中で、投資用不動産向け融資の規模の推移(銀行)については、1棟建て(土地・建物)では平成28年3月期2兆円、平成29年3月期2兆3,000億円、平成30年3月期2兆1,000億円、平成30年9月期(半年分)8000億円と、平成29年3月期をピークに減少し、投資用不動産向け融資を積極的に推進する金融機関は減少し、消極的な態度を取る金融機関が増加していることが分かりました。
スルガ銀行のシェアハウス向け融資に関する問題などもあり、特に個人の不動産投資については、貸し手側も借り手側も二の足を踏んでいる状況のようですが、今回の金融庁の調査結果の最後に、投資家において留意すべき事項として以下の2点が挙げられています。
①将来の賃料減少や大規模修繕の発生等も考慮しながら、長期的な事業・収支計画の妥当性をよく検討すること。
②当該投資が不動産賃貸事業であることを十分に認識すること
①は、目先の収入が良好であっても、環境変化・物件の劣化等により賃料下落・空室が生じたり、サブリース契約があっても保証賃料の減額や契約解除が生じる可能性があり、その結果、物件の収支がマイナスとなった場合は、自らが損失を被るおそれがある。
②は、例えば物件の現地確認や周辺状況の把握を自ら行う等、という説明が付されています。
不動産投資を行うのであれば、①、②とも当然のことと思われますが、相続対策として投資を行う個人等のなかには、ハウスメーカーなどの業者に丸投げしてしまっている方もいるのかもしれません。そのような方は、不動産投資を行う前に、第三者として客観的立場にある不動産鑑定士にアドバイスを求めてみてはいかがでしょうか。
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