不動産譲渡時の課税について注意すべき点とは

 不動産譲渡に伴う課税についての第3回目です。

 今回は、取得費や保有期間などで注意すべき点についてです。

 不動産を譲渡する際、譲渡収入金額から取得費や譲渡費用などを控除した残りの金額に対して所得税、住民税が課されますので、取得費や譲渡費用の額が大きければ大きいほど納める税金は少なくなります。では、先祖代々の土地であったり、大昔に購入した不動産で取得費が分からないときはどうなるのでしょうか。この場合は、譲渡収入金額の5%相当額を取得費とすることができます。

 また、取得費で注意が必要な点として、建物の取得費は購入代金または建築代金から減価償却費相当額を差し引いた金額となります。例えば、3,000万円で建築した建物を5,000万円で売却した場合、譲渡収入金額の5,000万円から控除できるのは3,000万円そのものではなく、3,000万円から減価償却費を差し引いた残りの額となります。築年数が古い建物ほど減価償却費は大きくなりますので、その結果、控除額は小さくなります。

 最後に保有期間についてですが、譲渡の際、不動産の保有期間が5年を超えるか超えないかで税率が大きく異なります。取得の時期は、通常、その不動産を購入した日ですが、相続や贈与で取得した場合は、どうなるのでしょうか。この場合は、死亡した人や贈与した人の取得の時期がそのまま取得した人に引き継がれることになります。例えば、3年前に相続した不動産を売却する場合、保有期間が3年だから短期と判定するのではなく、被相続人がその不動産を取得した日から5年以上経過していれば長期と判定されることになります。
 
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 ※なお、今回の記事は2019年2月時点までのものです。