消費税増税が不動産購入にもたらす影響

 安倍首相は28日、衆院本会議で施政方針演説を行い、消費税率10%への引き上げを今年10月に断行する方針を明言しました。

 消費税増税が不動産価格にどの程度影響してくるでしょうか? まず、「土地」にはそもそも消費税は課税されませんので、増税は関係ありません。次に「建物」ですが、たとえば3,000万円の戸建住宅を購入するケースで仮に建物部分が2,000万円だとすると、税率8%であれば消費税は160万円ですが、これが10%になれば200万円になりますので、やはり消費税増税の影響は大きいと思います。また、忘れてはならないのが仲介手数料です。不動産を購入する際、売買価格の3%+6万円を不動産仲介業者に支払いますが、この仲介手数料も課税対象になります。よって、上記のケースでは、売買価格3,000万円に対して、消費税率8%であれば、仲介手数料は1,036,800円(3,000万円×3%+6万円に消費税8%)ですが、消費税10%だと、1,056,000円(3,000万円×3%+6万円に消費税10%)となります。

 ここまで見てきますと、不動産購入を考えている人なら当然、増税前に不動産を購入してしまった方がいいと思われるでしょうし、これがいわゆる「駆け込み需要」と言われるものでしょうが、消費税増税に踊らされて高い買い物はしないようお気をつけ下さい。売りに出ている不動産物件の価格が本当に妥当かどうか、増税分を上回るプレミアが不動産価格に乗っかっていないか、良く検討してから行動されることをおすすめします。不動産鑑定の専門家である不動産鑑定士に評価依頼するのもご検討ください。